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安い顧問料の危険な仕組み


 顧問料等の税理士報酬を安くすることで、顧問先を獲得しようとしている税理士の先生がいらっしゃいますが、その報酬が安い理由を皆さんと一緒に考えてみたいと思います。安さを謳う広告のタイプ分類
 まず、インターネットでのホームページ広告やダイレクトメール広告で見受けられる、税理士の報酬に関する広告はいくつかのタイプに分けられると思います。
 タイプ1・安い顧問料を謳うが、別料金等を請求し、合計金額は妥当なもの若しくは高いもの
 このタイプは、よく見られますが、「顧問料の安さ」を謳っていても、月額報酬として、実質的には会計代行が別途加算されたり、会計代行をしない場合でも会社記帳内容のチェックの報酬、電子的な会計データの管理料、郵送料など、別の名目で料金を請求したり、年間報酬として、申告書以外に作成するその他書類の作成代金を別途請求したりするもので、合計してみると、普通の税理士事務所の妥当な料金となったり、酷い場合にはかなり高額となったりするものがあります。
(別途料金が加算されて高額の年間報酬になるからくりについては、「中野区の税理士 加藤会計事務所 加藤慎吾先生のHP」をご参照ください。)
 このタイプは、他の税理士と比較して報酬金額が妥当であったとしても、そもそも、報酬の安さを謳っているのだから、不当表示・不実告知の問題が指摘されます。他の税理士と比較して報酬金額が高い場合には、いわゆる「ぼったくり」でさらに悪質です。
 タイプ1’・タイプ1の内、記帳代行をしないことにより料金を下げているもの
 記帳代行もしくは会社仕訳のチェックの意味は、以下の点にありますが、記帳代行をしないからといって、税理士報酬を下げているものは、会社仕訳のチェックを行なわないということになり、以下の点についての責任を記帳した会社に押し付けているのではないでしょうか。
  (1) 会計処理が税務上正しいか?
  (2) 会計処理が税務調査で否認される虞はないか?
  (3) 毎年の税政改正に正しく対応しているか?
  (4) 記帳方法等が税制上の特典の受けるための要件を満たしているか?
 つまり、上記のポイントに対して、税理士事務所では会社仕訳を鵜呑みにして、チェックしてしていないタイプです。
 タイプ2・安い顧問料を謳い、別料金等を請求しても、合計金額は安いもの
 「顧問料の安さ」を謳っていて、その安さを際立たせるために一部の料金を別の名目で料金を請求することはあるものの、その合計金額が極めて安いもの。
このタイプが一番怖いものです。その危険な仕組みを今回申し上げます。
 タイプ3・適正表示で適正料金を報酬としているもの 正しい広告表示と言えるものでしょう。記帳代行の妥当な報酬とは
 では、先ず、一体、実際にどの程度の報酬が妥当なのでしょうか。月給20万円でボーナスを年3ヶ月程度貰っている従業員が担当者とした場合、年間給与合計は300万円で、社会保険や事務所賃料・減価償却費・パソコン・会計ソフト等を加算すると、合計で人件費の倍以上の費用が係ると一般に言われますから、その合計費用は600万円、年間200日働くとして、1日当り3万円、8時間労働で1時間当り3,750円となります。この給与水準では、未経験の大学卒、経験4、5年の商業高校卒が予想されますが、経験豊かな従業員と税理士の指導やチェックの時間が必要となりますから、最低1時間当り5,000円の原価は必要です。利益を10%上乗せすると、記帳代行報酬は、最低1時間当り5,500円となるでしょう。銀行預金の通帳や手形帖を確認したり、伝票や領収書を整理したりといった下準備をし、その上で仕訳入力をし、最終残高の相互確認をする場合、下準備からの時間を合計すると、1仕訳当り1分程度と推定するが妥当でしょう。それで記帳代行の報酬を計算すると、1仕訳当り90円程度となります。
 従って、記帳代行の料金の内、一部を顧問料として受け取っているとして最低1仕訳当り75円、最大で1仕訳当り100円辺りまでが妥当といえるのではないでしょうか。極端に安い記帳代行料金の訳
 一例として1仕訳当り30円程度と通常単価の3分の1程度の、極端に安い単価の記帳代行の場合では、
  (1) 会計処理が税務上正しいか?
  (2) 会計処理が税務調査で否認される虞はないか?
  (3) 毎年の税政改正に正しく対応しているか?
  (4) 記帳方法等が税制上の特典の受けるための要件を満たしているか?
の記帳担当者レベルのチェックは行えませんし、税務事務経験者のチェックも勿論ありえません。
 この様な低廉な報酬を可能にしたのは、中国で現地人に簿記を習わせ、資料を丸投げしたうえで、記帳だけさせた会計ソフトのデータを鵜呑みにする、無責任な業務体制です。
 記帳代行のコストを下げるために、人件費の少ない海外へ安易に会計の丸投げをするのは、会社全体を危うくする無謀なチャレンジです。この無謀なチャレンジは、税務調査で大きなペナルティを課されるばかりか、節税できるところをせずに、高い税金を払っていることになりかねません。税理士が適正報酬を請求する訳
 現実の世界の出来事を正しく税務会計上の数値に置き換えていくには、正しい税務上の知識が必要です。税務上の知識に沿った、正しい税務上の事実の認識が正確な税務申告と節税を可能とするのです。この認識をお持ち戴き、この作業には今のところ、スイッチを入れておけば昼夜違わずに作業を継続できる機械には不可能で、人間の経験と知識を基にした作業が必要だということをご理解戴きたいと思います。