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会計参与制度について


 私は平成19年より2年間、東京税理士会企業法制対策特別委員会に委員として参加しておりました。この特別委員会の目的は企業法制のあり方について中小企業及び税理士制度との関連で調査研究し、必要な対策を講じ、更に、会計参与制度の定着を図るため、必要な対策を推進することですので、この「会計参与」について述べてみたいと思います。

─ 会計参与制度の発端と制度化までの曲折 ─
 会計参与制度が目的とする中小会社の計算の適正担保制度は、「会計監査人監査を受けない非公開会社のうち一定規模以上のものは、…(中略)…限定した「監査」を強制するとの意見があるが、どうか」という、昭和59年5月に法務省から公表された「大小(公開・非公開)会社区分立法及び合併に関する問題点」の中での問題提起が、我が国での嚆矢となりました。
 この問題提起は昭和61年5月の「商法・有限会社法改正試案」において、「会計調査人調査制度」として明示されますが、公認会計士の強い反対や、中小企業関係団体からは負担過重を理由とした反対意見、公認会計士と税理士との職域争いの懸念等から、平成2年の商法改正時には改正案から除かれるものの、衆議院及び参議院法務委員会で、中小会社の計算の適正担保の制度の立法化もしくは立法化に向けた調査検討を求める附帯決議がなされました。
 その後、法制審議会会社法部会では平成14年9月から「会社法制の現代化」の検討を始め、平成15年10月に「会社法制の現代化に関する要綱試案」を公表するものの、税理士が参画できる制度については一切記述がなかったので、日税連は「小会社における計算書類の適正担保制度のスキーム」として意見を提出した結果、平成16年6月同部会において、主に中小会社の計算の適正担保制度として税理士・公認会計士を資格者とする「会計参与」制度創設が示され、平成17年7月26日に同制度を含む会社法が成立しました。

─ 会計参与制度の概要と目的 ─
 会計参与制度は、税理士及び公認会計士という会計に関する専門的識見を有する一定の資格者が就任することを前提とし、株式会社の内部的な機関でありつつも、内部の他の機関からの独立性を有し、計算関係書類(施行規則第2条第3項第11号に規定するもの)の取締役(委員会設置会社においては執行役員)との共同作成、それに係る株主総会での説明、計算関係書類及び会計参与報告の備置き、株主・債権者への開示等を職務とする株式会社の機関(役員)で、計算関係書類の記載の正確さに対する信頼を高め、株主・債権者の保護及び利便に資することを目的としています。

─ 会計参与に対する期待 ─
 会計参与制度は、そもそも計算の適正担保の制度であったのですが、会社参与に会社が期待するものは、最近、計算の適正化担保を超え、経営数値を駆使して経営を進める役員であることという事例が出始め、会計参与の報酬額も其れに比して上昇しているとの報告があります。
 また、注意すべきは、税理士の作成する決算は、税法基準により損益計算を行い、その見返りで貸借対照表が作成されるため、回収期待値の低い金銭債権や陳腐化した棚卸資産、目減りした投資資産等、損金計上出来ないというだけで貸借対照表に実体のない資産が記載され、「意図しない粉飾」があると一部の金融機関から厳しい指摘が出始めていることです。こうした金融機関は、中小会社の決算は、中小企業の会計に関する指針に従い、貸借対照表を作成し、それが税法基準に合わないのであれば法人税の申告書別表で調整をすべきであると考え、会計参与はこれを実現してくれるものと捉えています。つまり、今までの税理士は税務に関する専門家であればよかったわけですが、今後は、税理士業務に付随して会計業務を行うのではなく、会社法第374条から第380条の会計参与の規定に基づき、本来業務として、厳密な会計業務を行うことが求められていくことになると考えて良いのではないでしょうか。